フッ素と歯科医

日本ヘルスケア歯科研究会は、東京千駄ヶ谷の日本青年館で国際シンポジウムを開きました。フッ素の効用の研究で知られるオランダのテン・ケイト博士がパネラーの一人として参加しました。博士は自国オランダをはじめ、欧米のフッ素事情を語りました。オランダでは、12歳児の永久歯のむし歯が70年代半ばには8本以上だったが、フッ素利用によって93年に1.5本まで減りました。

数百人の聴衆のほとんどは歯科医師と歯科衛生士に向かって、博士は「日本のこともお話ししましょう」とほほえみました。二つの論文が紹介されましたが、そのひとつはすでに触れたことのある、宮崎教授と森本教授が『ヨーロ ッパ口腔科学雑誌』に出した論文がありました。

当時、フッ素を使えば歯がよくなるという世界の常識とフッ素(少なくとも水道水フッ素化)ボイコットの日本の非常識とが痛ましいほど浮きぼりにさ れたシーンでした。

78年の総会でWHO75年の決議にそって水道水フッ素化をいっそう推進することを加盟国に促しました。ところで、歯科医師会は71年に「フッ化物に対する基本的見解」を発表し、「現在、フッ化物にま さるむし歯予防手段は存在しない事実からして、フッ化物によるむし歯予防法の推進こそが、現時点に おける最良の方法であるといえよう」と述べています。さらに踏みこんで、「飲料水中のフッ素添加(水道水 フッ素化)が最も有用と考えられています。