むし歯予防とフッ素②

フッ素がむし歯予防に効果があるという調査が行われてから、ミシガン州グランド・ラピッズの市議会が、翌45年から市の公共水道水にフッ素を入れることを可決しました。世界最初の水道水フッ素添加が実施されたわけです。しかしながら、この事業自体が研究の一環でもありました。連邦政府の公衆衛生局 (PHS) 長官が研究をリードしましたが、研究は48年から国立歯学研究所 (NIDR) に移管されました。11年後、虫歯予防のフッ素の研究結果がようやくまとまりました。水道水フッ素化以後に生まれたグランド・ラピッズの子どもは、むし歯有病者率が60パーセントも減っているこ とが判明しました。ただし、この時点では、歯の再石灰化現象とかフッ素がエナメル質を強化するメカニズ ムとかはまだわかっていなかったと思われます。

グランド・ラピッズに続けと、水道水フッ素化はあっという間に広まりました。その動きは日本でも広がりを見せるようになるかと思われましたが、そうではありませんでした。残念ながら、日本の歯科医師会はフッ素化が進めばむし歯が減り、歯医者の生活が脅かされる、つまり私利私欲を図る

立場から、フッ素化に消極的で、むし歯が増えるにまかせ、人びとの健康を損ねるハカイシャでありつづけたように見えます。

しかしながら、アメリカの歯科医師会は日本と違い、フッ素化に積極的でした。54年フィラデルフィア、56年シカゴ、65年ニューヨーク、82年にヒューストンというふうに、ロスを除く四大都市に取り入れられました。また、90年代には50大都市中の四三都市(うち二都市は天然水のフッ素利用)に及びました。985月、アメリカの水道水フッ素化は給水人口の62.5パーセント、約14000万人を対象としています。