むし歯予防とフッ素①

1901年のことだが、アメリカのコロラド州コロラド・スプリングスという町に、若い歯科医、フ レデリツク・マッケイが開業してみて、住民の多くが褐色の歯をしているのに驚きました。調べてみると、人びとは同じ水源からの水を飲んでいるのがわかりました。水が怪しいということがわかったのです。さらに調べを進めると「コロラド褐色斑」は見てくれは悪いが、むし歯はほとんどありませんでた。

マッケイは追求を続けました。水源の水には多量のフッ素が含まれていた。フッ素には むし歯を防ぐ力があるのではないかという仮説ができました。さまざまな飲料水のサンプルを集めて調べた結果、高濃度のフッ素が歯のエナメル質を着色することがわかった。研究を始めてからすでに30年が経っていました。

力強い協力者が現れまいた。国立衛生研究所 (NIH) の当時の歯科部長です。まず、飲料水中のフ ッ素イオン濃度がどのくらいなら子どもの歯がフッ素症(斑状歯)に冒されるのか。それを突きとめようとしました。5年後の36年、フッ素イオン濃度が一定以下ならフッ素症にならないことがわかりました。斑状歯のエナメル質がむし歯に対して大きな抵抗性をもつというマツケイらの論文を読み返した。ひらめきが起きた。安全なレベルのフッ素を水道水に加えたら、 この仮説をなんとか科学的に確かめたいという熱意から、フッ素の研究がさらに進められた。