フッ素の普及

日本では反対意見が多く実施されないフッ素ですが、アメリカではフッ素の普及において、やがて画期的な展開が見られました。五大都市のなかでただひとつ残っていたロサンゼルス、人口で第2位の大都市が踏みきりました。 ロスでは、98年末にフッ素化のゴーサインが出て、998月からフッ素入り水道水の給水が始まりました。地元の『ロサンゼルス・タイムズ』などによると、フッ素化は30年以上前からの懸案でした。実施するにおいては、反対意見はとにかくいろいろありました。

ロスがこの状態だったので、カリフォルニアの水道水フッ素化率は96年現在、全国50州中47位。 サンフランシスコをはじめ、ロングピーチ、オークランド、フレズノなどで実施していたものの、28パーセントにすぎませんでした。グランド・ラピッズ以来五十余年、フッ素化の害作用が問題になったことはなく、一方、むし歯は約4割減りました。実績を前にして、ついにカリフォルニア州知事は、フッ素化施設建設の資金のめどがつきさえすれば、一万人以上に給水する地区はフッ素化しなければならないとする法律に署名しました。95年のことでした。この法律がロスで実効を発揮するようになったのです。

ロスの場合、設備に1000万ドル、その後の運営費が年間70万ドル見込まれます。しかし、水道電力局の幹部は、「フッ素化の費用一ドルあたり歯科医療費が50ドル節約できる」と、経済効果を認めます。十分すぎるほどペイする事業と言えるでしょう。